フルマラソンはラップ表で決まる
岩本能史さんの著書「非常識マラソンメソッド」は実践的で具体的なノウハウが満載だ。
特に「レースはラップ表をトレースするだけ」という戦術は、シンプルながら、非常に強力である。
ラップ表とは、距離ごとのペース配分や補給するサプリを表にしたものだ。つまり、走るためのスケジュール表である。これをレース中に携帯し、確認しながら、現在のペースをコントロールするだけでいい。そうすることで、目標のタイムを達成するのだ。
この戦略のポイントは、周囲のランナーからペースを乱されず、自分のペースを守ることを徹底させる点である。自分の走力に見合わないペースで走ってしまい、後半失速してしまう失敗を防ぐことができる。
なるほど、素晴しい。僕もラップ表を作成して、レースに臨んだ。
上の書籍の中では、おそらくA5サイズほどの大きさに印刷されているようだ。僕の場合は、クレジットカードサイズの小さなビニールケース(9.5cmx7.8cm)があったので、防水もかねてそのサイズの小さなラップ表をつくった。
はずかしいけれど、実際に僕が使ったラップ表を晒しておこう。
小さい・・・。
これと、GPSウォッチがあれば、完璧である。
あとは、自分のペースを確認しながら、ラップ表にあわせて走るだけである。
僕は、初めてフルマラソンを走ったときからこの方法である。おかげで2回目のフルマラソンでなんとかサブフォーを達成できた。フルマラソンというのは、走るだけの単調な作業のように思っていたが、ラップ表に従いながら、ペースを守りつつ、次の給水ポイントを確認したり、サプリを摂ったり、ハイタッチをしたり(?)、写真を撮ったり(?)、意外と忙しいスポーツなんだと思った。
最初からこのような効率のよい方法でしか走ったことがないため、地獄のような苦しみを経験しないまま来てしまった(もちろんレース後半から終盤は苦しい思いはしているはずだが)。
去年の大阪マラソンでは、GPSウォッチが壊れて使えなかったため、レース最初からオーバーペースで走ってしまった。その結果、後半は非常に苦しいレースになり、惨敗してしまった。トレーニング不足のうえ、夏日のような天候だったことも大きいのだが、意図的にむちゃをして、あえて苦しい状況へ自分を追い込んで苦しいレースも経験してみたいと思っていたのである(そんなことするものではないです)。変な話だと思われるだろうが、ラップ表を使って、まじめに走ると、予想外に失敗する可能性は低いのではないだろうか。もちろん自分の走力に見合う計画であることが前提です。
というわけで「ラップ表をトレースするだけ」戦術はおすすめだ。42.195kmが意外と短く感じるかもしれない。